純正AUTO Hが不快な理由と解決策
停車時にカックンとなりがち
上図はECUが認識する停車時の4輪の速度センサーの値で、約0.5km/hから急に0kml/hになっていることがわかります。実際にはグラフ右へまだゆるく車速が出ているにもかかわらず停車したと認識され、オートブレーキがかかり、“カックン”となるわけですね。センサーパルスのカウントスパンを長くするとABSなど姿勢制御の精度が落ちそうで仕方ない部分ですが、低速時は別にカウントするなどもうちょっとやりようはあったと思います。
AUTO H MODではセンサー的に停車した少しあとにオートホールドを有効にすることで、実際の完全停車が期待でき、このカックンを抑えることができました。ただその間も認識できない微速で動き続けた場合はやはりカックンになります。
なおアクティブクルーズコントロール(AAC)による停車には効果ありません。AAC中にドライバーが踏むブレーキ操作では(AACが切れるので)機能します。
発進時にオェっとなりがち
オートホールド中はフロントブレーキのみが作動します。この間リヤブレーキはフリー状態のため、前輪を軸にクリープの力でリヤが浮き上がったような状態となります。オートホールドが解除されるとフロントブレーキが一気に離されまた加速でリヤが沈み込む状態となり、急発進だけでなく上下の姿勢変化がフィーリングの悪さにつながっているのでしょう。
AUTO H MODではブレーキを踏み込むことでもオートホールドの解除をできるようにしました。解除後のブレーキリリースの加減で加速と姿勢変化を調整できるので、コントロール次第でふんわり発進することができます。なおアクセルペダルでの解除もこれまで同様に利用できます。
※ この機能はデフォルトでは無効化されています。また有効にした場合ブレーキ操作でのオートホールド切換が、アイドリングストップ(ASS)使用時のブレーキ操作によるエンジン始動停止機能と相性がよくない場合があります
後退時にオートホールドがじゃま
バック駐車ではゆっくり操作したいのにオートホールドが入って大変イラつきます。手動でオフにするとオンにし忘れ次回走行時に停車後クリープで動き出しびっくり、なんてことよくありますよね。
AUTO H MODは、後退時にはオートホールドをオフにします。前進時には再度オンにしますが、切り返しを考慮し一定速度まではオフのままにする設定も準備しました。
二段階ホールドを使いたい
最近のBMWはメルセデスベンツなどのようにブレーキの踏み込みでオートホールドがオンになる“二段階ホールド”が有効になっているようです。これだと停車や後退の問題が解決されます。
AUTO H MODでは設定により、停止時のオートホールド無効、ブレーキ踏み込みによるホール有効化、アクセルでの解除という同等機能を利用できます。
※ ブレーキ操作でのオートホールド切換は、アイドリングストップ(ASS)使用時のブレーキ操作によるエンジン始動停止機能と相性がよくない場合があります。
アクセルでの解除も利用可
AUTO H MODは純正のオートホールドをそのまま利用しているので、アクセルペダルによるホールド解除も今まで通りに使用できます。
AUTO Hボタンを操作するという基本設計上、純正オートホールド機能に影響を及ぼしません。
エンジンオフ時にはパーキングレバーを自動作動
AUTO H MODによるオートホールド使用時には、実際にはオートホールドがオフにされている場面もしばしばあります。後退時や二段階ホールド使用時などですね。
このときエンジンを停止させると通常パーキングブレーキは作動しませんが、AUTO H MODはこの時にも自動作動させます。降車時にブレーキをフリーの状態にしない仕様です。
整備などでオートホールドオフ状態を維持したいときは、AUTO Hボタン操作でオフ(LED消灯状態)にしてください。