さすだけで燃費15%改善!? eco OBD2を専門家が検証

クルマの診断ポートに挿すだけで“15% Fuel Save”(15%燃費改善)される“ecoOBD2”という、燃料代高騰中の今にぴったりな装置を読者のトーマスさんからお借りしました。“XtraFuel”という別製品を購入したはずなのに届いたのがこれだったというトーマスさんのお話しでしたが、たぶん販売店が気を効かせて効果が高いものに変更してくれたのでしょう。きっと。

鮮やかな緑色のケースがエコを感じさせますね。

見た目が以前確認した“nitro OBD2”とほとんど同じなので、まずは電源だけ入れたチェックをしました。

nitro OBD2は電源だけしかつながっていない状態なのに「いかにも通信してる感じ」のLED点滅でしたが、これは明らかに単調で、まるで車両との通信待機中かのようです。高まる期待の中、CANの通信を行ってみました。

ん? 通信エラー??

電源オン時の CAN-H/L、K-Line それぞれの電圧がほぼ0V、というか浮いてる感じでなんか変です。

ということで分解して各端子に説明を付けたのが上。なんと常時電源とGND×2カ所以外、はんだづけさえされていません。8ピンのマイコンはLED×3の点灯と謎スイッチの入力判定をしているだけです。もちろん基板裏面には何もありませんでした。

全部はんだづけされていたとしても、こんな簡単な部品で通信できるほど21世紀の技術は進んでいません。

ところでこの状態で謎スイッチを押してみます。LEDのチカチカで気分悪くなる可能性があるので動画閲覧は注意して下さい。

押す度に黄色点灯から始まるのでこれはマイコンのリセットでしょう。だから何というものでもありません。基板中央に空きパターンがありますが、ケース表面にボタンがつく別商品も存在してるので、それに使うときはここにスイッチがくるんだと思います。

というわけで ecoOBD2 は、LED点灯によりバッテリーをわずかながら無駄に消費し続ける“エコじゃない”装置でした。目がチカチカする照明器具です。

ちなみに12V時に8.5mAぐらい電気流れていて、車両待機電流の1〜2割といったところ。多くはないけど少なくも無い感じですね。

解析協力 : トーマスさん

これまでに調べたOBD2チューニング系パーツ

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